スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

御子神十三柱の再確認

「十三柱」とはなんなのか?

前回予告した通り、今回は「御子神十三柱」の再検証をしておきたい。
調査を進めるにつれ問題になってきたのは、以下のような点である。

1.十三柱のラインナップにはいくつかのバリエーションがある。
2.「十五社神社」の全体像を把握する必要が生じてきた。
3.そもそも、十三柱の根拠となるべき文献に出会えていない。
4.ここで扱う神々を、諏訪の御子神と定義する根拠についても同様。


この問題点に沿って検証を進めていきたいが、その前に、前回、由緒書看板の写真だけを紹介した「諏訪大社公式見解における御子神十三柱」を再確認しておきたい。

建御名方彦神別命(たけみなかたひこがみわけのみこと)
伊豆早雄命(いづはやおのみこと)
妻科比賣命(つましなひめのみこと)
池生神(いけのおのかみ)
須波若彦神(すわわかひこのかみ)
片倉辺命(かたくらべのみこと)
蓼科神(たてしなのかみ)
八杵命(やきねのみこと)
内県神(うちあがたのかみ)
外県神(そとあがたのかみ)
大県神(おほあがたのかみ)
意岐萩命(おきはぎのみこと)
妻岐萩命(つまきはぎのみこと)


十三柱選定のバリエーション、表記の違い、読みの違いなどさまざまあるわけだが、そんな中で、今後はこれをとりあえずの「標準」とした上で、さまざまな差異を検討していくことにしようと思う。

さて、各論に入る前にもうひとつ、話の中で前提になってくる「十五社神社」について、ざっと説明しておきたい。
十五社神社の名を持つ神社は、まず、現在の自治体区分における諏訪地区の中に、9社ほど確認することができる。諏訪においては、「建御名方、八坂刀賣、御子神十三柱」を祀るというのがその本義で、合わせて十五社という意味である。十三柱の内訳まで伝承されている神社もあれば、御子神については(おそらく)忘れられてしまい、「建御名方、八坂刀賣」の二柱だけを祭神としているところもある。
以下、諏訪における十五社神社の内訳を挙げつつ、字名に応じて各十五社神社に仮の識別名を与えていくことにしたい。

まず、岡屋十五社、間下十五社、今井十五社、新倉十五社と、岡谷市に4社。続いて茅野市に、米沢十五社、古田十五社、御作田十五社、大日影十五社と、これも4社。残る1社はやや離れた富士見町に、上蔦木十五社がある。

この分布の偏りには注意が必要だろう。
岡谷市一帯は、のちに下社大祝となる金刺一族が郡司として最初に本拠を置いたであろうと考えられるあたりで、岡屋牧にも直結する場所。茅野市のほうは、地元では「山浦」と呼ばれる一帯で、こちらは対照的に上社古族側の最古級の心臓部である。
そのほかの場所、たとえば地主神の古社が立ち並ぶ西山一体や、山浦から山稜ひとつへだてた諏訪湖側、やはり土着の古社が立ち並ぶ諏訪市内にも十五社は見当たらない。また上社、下社とも、その境内地の付近にはなぜか見当たらない。
ただし、御子神十三柱を祀るとされる下諏訪町富部の若宮神社(『信州の神事』では祭神彦神別となっていたが、これは「二柱め以降省略」と考えるのが妥当なように思える)と、「建御名方、八坂刀賣、御子神十三柱」を祀るという岡谷市長地の神明社(なぜ?)も、リストに加えていいかもしれない。また、この若宮神社は秋宮の直近、下社の五官祝が住んだという伝承のある「五官」「本郷」「富部」といった地名を持つ古村の山際に鎮座しており、先のロケーション検証の中では例外的存在となる。

さて、諏訪地方の外にも十五社神社という名の神社は少なからず存在している。ただ、注意しなければならないのは、明治の合祀ほかさまざまな事情でいくつもの神社が合併している場合であろう。十五柱の神さえ祀っていればその内容はなんであれ「十五社神社」と名乗りうるわけで、三社神社とか、五社とか七社とか、四柱神社、八柱神社等々、ある種、一般名詞としての社名でもあるわけだ。実際、岐阜県や和歌山県の十五社神社など、諏訪との関係を想定するのは難しいだろう。
他所の十五社神社で標準的なパターンとしては、「天神七代、地神五代の十五座二十柱を祀る」とするもの。ただ、このラインナップはいかにも国学臭いというか吉田家臭いというか、とにかく近世臭しかしてこないので、古層のものではまったくありえない。もし古社であるのなら、例によって、無名な地主神たちが国学者や神祇庁の連中に抹殺された痕跡という可能性も考えられるだろう。

本ブログでいちおう検証範囲内としておきたいのは、松本市の中山で埴原神社に合祀されている十五社、旧三郷村小倉(現・安曇野市)の十五社、それから、山梨県の八ヶ岳南麓、長坂と須玉にそれぞれ鎮座している「十五所神社」である。その多くは「天神七代、地神五代」やそれに類する中央神のラインナップになっているのだが、いずれも諏訪信仰の影響が極めて濃厚な地なので、別系統が本来の姿と考えるほうが不自然である(各社への具体的な検討はまた機会を改めて)。

というわけで本論に入りたいのだが……すでに結構長いので、今日のところは「引き」ということにさせていただく。
まあ、さほどの間は空かない。はず。

というわけで、今後直近の流れとしては、十五社巡りレポートも差し挟んで行きたい。ここまでに挙げた検証対象の十五社……って、あれ? すげえ偶然だな。この場合、「15社」という表記で分けたほうがいいだろうよ。で、その15社のうち、行ったことがあるのはまだ半数ほど。実際に行ってみてナンボという基本姿勢を保ちつつ、引き続き話を進めていきたいと思う。

********

あ~、また書き忘れちゃった!
というわけで1時間後の追記。
天竜川が静岡県に出るあたり、今でも「霜月祭」をやっている古社のひとつが、十五社神社だったんでした。
ただし、祭神は諏訪御子神ではないらしい。
が、諏訪神楽の古層を残し、周辺にいくつかの諏訪神社、馬背神社、諏訪湖へと遡る龍神の伝承等々を残すこの地で「十五社」を名乗る以上、これも必然的に検証対象に加わってきます。
というわけで……追跡対象は16社になっちゃいました(笑)。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LooseFrog

Author:LooseFrog
基本的に怠惰で、社会人として問題の多い中年男です。
でも、興味の対象には嬉々として食いつきます。

loosefrog★gmail.com
(@に置き換え願います)

デタラメやカン違いや不適当な素材の使用等ありましたら、ご指摘ください。
もちろん、助言や感想も歓迎いたします。

***

字が小さいとの御指摘をちょくちょくいただきます。
P盲な私がいまさら細かいところいじるとワヤになりそうなので、ブラウザの拡大機能の使用を推奨いたします。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
リンク
FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。